日々を駆け巡るoyayubiSANのブログ

日々を駆け巡るoyayubiSANのブログ

目が腐る小ネタと4コママンガを土日。ゲーム実況を月火。小説を水曜に更新!

真の四天王出現! 第16話 暴風荒ミスティ・ミラージュ ラスティ

お題「マイブーム」

f:id:oyayubiSAN:20190819224603p:plain

 

 

「ぐっ! てめぇ! やっぱタダモンじゃねぇ!」

 

「ふふふふ。言っただろう。肉体強化の薬が体を駆け巡っているのだよ! たとえ手袋による変身能力があっても、なお! 平然と耐えられる一撃とは思わぬことだ!」

 

 リンセンが軽く仰け反ったところで、例の物体の第二波!

 

 正面から向かってくると思いきや、まさかの事態! その物体は高速回転しながら急に角度を変え、変則的な動きでリンセンを翻弄する!

 

 だがリンセンは見逃さなかった。

 

 その物体の形、シルエット――あの頑張りすぎたバナナのように曲がったボディは、まぎれもなく、

 

「ブーメランか!?」

 

 正体に気づいた瞬間、すでにブーメランは背後に回り、接近している。

コンビネーションを組むかのように、ディルハムはリンセンを挟み撃ちにした。

 

「そのルフィヤのブーメランは一級品だ! 貴様のような下等生物代表に、一級品が負けるものかっ!」

 

 まさかの事態! 一瞬の攻防、その二!

 

 一撃目から察するに、あのブーメランを背中から貰えば、一撃必中で仕留められることは目に見えている。

だが正面からのディルハムに耐えつつ背後のブーメランを凌ぐのは至難の業だ。

 

 ならば、回避に徹する!

 

 リンセンは俊足の横っ飛びで、牙をむくブーメランをかわした。

コンマの差でディルハムのストレートパンチが――虚しく空を切る。

 

 だがそのとき! ディルハムの拳が開き、高速回転するブーメランを掴んだ。

その流れで横方向に飛んだリンセンへまさかの投擲!

 

「てめぇ! 投げ返しかっ! まさかのっ!」

 

 まさかの予測不可能な連携っ! これは見事っ! ディルハムルフィヤの顔が見えないはずだが、まるで目の前にいるかのような連携っぷり! 

これは見事っ!

 

 不意のことに防御に失敗。

ダイレクトに受けたブーメランの威力は相当なものだが、ショートジャンプ中と違い足で踏ん張れるだけまだマシだ。

 

「ははは。ルフィヤのブーメランは特別製だ。ナイラ国が独自に開発した超金属ケツァルメタルを加工して作り上げた一級品のブーメランさ」

 

 命中したブーメランをキャッチしたディルハムは、自慢げに説明をする。

 

「さっきから一級品一級品うるせぇんだよてめぇ!」

 

「おうおうおうっ! 悔しいか、下等生物代表くぅん? もう一度言ってやろう、下等生物代表くぅぅぅん??? おまけにもう一度ぉぉ! 下等生物代表ぉぉくぅぅん???」

 

「やっすい挑発だな。腹立つから乗ってやるよ。感謝しな!」

 

 調子に乗ったディルハムは、返ってきたブーメランを再度投擲した。

ブーメランにおいてはルフィヤのほうが技術が上だが、ディルハム自慢の怪力があればけっこうな威力は繰り出せる。

 

 それを予測していたリンセンは棍をプロペラのように回転させ、ブーメランを弾き飛ばした。

回転力を失ったブーメランは明後日の方向に墜落するが、構わずディルハムはリンセンに突進する。

同時にリンセンも真正面から駆け出すっ!

 

「へっ! ブーメランのやつ! 先に潰してやるっ!」

 

「貴様っ! まさかこの俺を無視するのかっ!」

 

「悪ぃな! そのまさかだよっ! お前と遊ぶのは後回しだっ!」

 

 タックルをひょいとジャンプでかわし、ディルハムの肩を踏み台にする。

 

ブーメランが投げられたであろう方向へ向かって大きく飛んだ。

 

 ルフィヤがいる岩山までの距離、実に数百メートル。

ディルハムに追いつかれることはないだろうが、ルフィヤはさらなるブーメランで迎え撃つだろう。

 

 だがそんなことも承知! リンセンの予想通り、ルフィヤは岩山のてっぺんから三方向にブーメランを投擲! それらが意思を与えられたかのように、リンセンに向かって襲撃を始める。

 

「どんなツラか拝んでやるぜ! クソ人類めっ!」

 

 不規則な挙動――だが確実にリンセンへ狙いを定めて牙をむくブーメラン。

 

 この数百メートルの距離からどう攻めてくる。

どう動けば避けられる。

避けてからどう次の回避に繋げる――頭脳戦は苦手なリンセンだったが、ただがむしゃらに動いて力だけで敵う相手ではないことくらい理解している。

 

 三本のうち、一本が加速を開始!

 

「やっぱりヤメだ! 考えるより、見て避けるっ!」

 

 抜群の反射神経と身体能力だけを頼りに、一本目を避けるっ!

 

 風圧を感じるほどの至近距離をブーメランが突き抜ける。

背後に落ちたそれは、容赦なく固い大地を引き裂いた。

 

「へっ! んなもんが当たるかよっ!」

 

 よく見てさえいれば、正面からの攻撃など造作もない。

 

 あとの二発も、大したことはないっ!

 

 流れるように襲撃を始めた二本のブーメランも容易く避け、ルフィヤが立つ岩山の真下に到着。

この位置ならばブーメランも逆に命中し辛いだろうが、まだ背後のディルハムは諦めていない。

 

「ったく! しつこい野郎だ!」

 

 ディルハムが加速をつけての蹴りを炸裂させた

鉄板をも貫けるほどのそれをリンセンはジャンプで回避する。

岩壁に強烈な蹴りが食い込んだ。

 

「じゃあな! お前は後回しって言ったろ!」

 

「貴様! この蹴りを受けろ! 逃げるなっ!」

 

 リンセンはジャンプのみで岩山を登り高度を上げた。

軽快なリズムとアクションで順調にルフィヤへ近づいてゆく。

 

「見えたっ! あいつがブーメランを投げつけやがった野郎か!」

 

 高速で駆け上り、勢い余って飛び上がった。

 

 大地を炙る太陽をバックに、ルフィヤより高い位置で、敵の顔をチェック――。

 

「女っ!?」

 

 一瞬驚く

そこにいたのは女っ! まさかの女っ!

 

 普通なら躊躇するところではあるが、あいにくリンセンはそんな程度のことで手を抜ける男ではない。

 

「てめぇ! 女だからって俺が手加減するとでも思ったかぁぁぁ!」

 

 リンセンはルフィヤに狙いを定め、これまでの鬱憤を晴らすかのように混を全力投球! 同タイミングでルフィヤもブーメラン四本乱れ投げだ!

 

「うふふふふ! ニッポン人! この私のブーメラン裁きに真正面から耐えられるかしら?」

 

 槍のように投げつけた混は、高速回転するブーメランたちの間を縫い、ルフィヤに直進した。

だが不意のブーメランによって僅かに狙いが逸れ、ルフィヤの横すぐへ突き刺さった。

 

「ちっ! 外したか! でも俺も、このブーメランをっ! 防がないと!」

 

 四本のブーメランが一斉にリンセンを襲う。

順番に列をなして襲ってくれば、まだ叩き落す猶予もあったものの、しかしタイミングは同時! 混が手元にない状況での防御は、自殺行為なのだ! 直撃しようものならば死は確実・確定・不可避っ! 

衝撃によって手袋の変身機能が解除され岩山から墜落すれば、いくらリンセンでも命はないだろう!

 

 成すすべなく、ブーメラン全弾直撃! 空気との摩擦で爆発が生じ、薄黒い煙と火炎がリンセンの姿を覆い隠した。

 

 辛うじて防御はしたものの、至近距離で受けるブーメランの威力はリンセンの体に多大なるダメージを与え――

 

「ったとでも思ったか!」

 

 ルフィヤの背後から、リンセンの声!

 

 敗北を確信させるかのような余裕のセリフに振り返るも時すでに遅しっ!

 

 二本のブーメランを握ったリンセンが、ルフィヤの首にそれを突き付ける。

 

「あ、あなたいつの間にっ!」

 

「へっ! よく見てみな!」

 

 ルフィヤが恐る恐る目を凝らすと、そこには力をなくしてダウンするディルハムの姿があった。

全身は煙に飲まれたかのように黒く染まり、肌も僅かに焼け焦げている。

 

「ま、まさかっ!」

 

「その、まさかだ! あいつが下から俺を追いかけてきたから、速攻で捕まえて身代わりにしたんだよ!」

 

「恐るべしっ! 私のブーメランより速くここまで動くなんて!」

 

「俺を褒めるのは後にしな! さぁどうする!? お前以外のお仲間は全滅か!?」

 

「くっ……!」

 

「それとも、お仲間を連れてしっぽ巻いて逃げるか? おい」

 

 戦闘不能にまで陥ったディルハムだったが、命までは奪われていない。

ディルハムを死なせないために、リンセンはブーメランを二本キャッチしたのだ。

 

 つまり、殺さないための行動――。

 

「あなた、ドブラとフォリントにも手加減したっていうの?」

 

「手加減? バカ言え。俺は本気でやりあった。ムカつく連中に手加減すんのは俺の性に合わないからな」

 

「……」

 

「だがな、俺は殺しはしない」

 

「どうして。私たちはあなたを本気で仕留めようとしたのに」

 

「血のついた手じゃあよ、美味いメシも不味くなっちまうだろうが」

 

「そ、そんな理由で、敵の命を奪わないというつもりなの!?」

 

「俺は人殺しじゃあねぇ。腹立つやつをぶちのめして、道が拓ければそれでいい」

 

「じゃ、じゃあ……」

 

「戦は終わりだ。大人しく俺を通せ」

 

 戦は終わり――その証拠に、リンセンは変身を解除して、奪い取ったブーメランを投げ捨てた。

警戒する素振りは微塵もなく、すっかり戦意が抜け落ちたルフィヤに背を向け、進むべき方向へ踏み出した。

 

「じゃあな。この荒野は暑いからよ。他の三人を連れて、さっさと帰れ」

 

「あ、あなたは、なにをするつもりなの!? まさか、あの捕らえた女のために、そこまでっ!」

 

「あのクソ女はなぁ、ついでだ。俺はあいつの作るメシを食いたい。理由はそれだけだ」

 

 再び手袋で変身し、岩山から跳躍した。

鳥と同じ高度まで飛び上がり、次の岩山をも飛び越える。

 

 リンセンの心に燃えるハートは、このコルナ荒野を焼く日差しでさえも燃やしきれない。

 

 だが――順調に進んでいたリンセンの前に、さらなる強敵が立ちふさがる!

 

「待て! 我ら真の四天王がまだ残っているぞ!」

 

 リンセンが着地した岩山の影から、全身黒づくめの連中が顔を出した。

 

 真の四天王と名乗る彼らは縦一列に並び、各々が両手を横に広げて構えている。

 

「くらえ! 真四天王必殺奥義! 閃空竜巻おっ――」

 

「うるせぇっ!」

 一撃!

 一撃!

 一撃!

 一撃!

 

 いや、これは四撃に見せかけた超高速の一撃! 

圧倒的光速的に放たれた怒りの鉄拳により真の四天王たちはたったの数秒で負傷兵へとなり果てた!

 

まさに!

壊滅!

鬼のような攻撃!

圧倒的勝利!

 

「邪魔なんだよてめぇら! シンだかヒンだか知らねぇが! 邪魔すんなクソ人類が!」

 

締まりのない勝利で幕を閉じ、再びリンセンは山を越えた。

 

 絶対的な自信があった真の四天王たちは、ただひたすらボスからの処罰に震えるのだった。

 

 

 

ブロトピ:今日のブログ更新 ブロトピ:ブログ更新通知をどうぞ! ブロトピ:今日の雑談日記 ブロトピ:はてなブログの更新報告♪ ブロトピ:今日の趣味日記